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2025年9月29日(月)ブログ

コンサル転職面接で印象に残るには?ストーリーで伝える答え方のコツ

コンサルティング業界への転職を目指す多くの方が「面接でそつなくこなしているつもりなのに落とされる」「スキルは評価されるのに他の候補者と比較されて不採用」という悩みを抱えています。

実は、これらのケースでは技術的なスキルや経験に問題があるのではなく、面接官に強い印象を残せていないことが根本的な原因です。コンサルティングファームの面接では、同程度のスキル・経験を持つ候補者が多数いる中で、記憶に残る存在になることが合格のカギとなります。

本記事では、ストーリーテリングを使った面接対策により、面接通過率を上げる具体的な方法を詳しく解説します。

コンサル転職面接で落ちてしまう本当の理由

コンサルティング業界への転職を目指す多くの方が、以下のような悩みを抱えています。

よくある面接での悩み

そつなくこなしているつもりなのに面接で落とされる、一次面接は通過するが二次・最終面接で落ちる、スキルや経験は評価されるが他の候補者と比較されて不採用、「良い候補者だったが、今回は見送り」というフィードバックがあります。

落ちる本当の理由は「印象不足」

実は、これらのケースではスキルや経験に問題があるのではなく、面接官に強い印象を残せていないことが根本的な原因です。

コンサルティングファームの面接では、同程度のスキル・経験を持つ候補者が多数いる中で、記憶に残る存在になることが合格のカギとなります。

ストーリーテリングとは?面接での効果的な使い方

ストーリーテリングとは

ストーリーテリングとは、単純な事実の羅列ではなく、自分の経験や思考を物語として構成して相手に伝える手法です。

面接でのストーリーテリングの効果

印象に残りやすいという点では、感情に訴えかける内容で記憶に定着します。共感を生むという点では、面接官があなたの体験に感情移入できます。差別化が図れるという点では、他の候補者との明確な差を創出できます。

【実例比較】従来型 vs ストーリーテリング型回答

面接官から「あなたの経験について話してください」と質問された場合の回答例を比較してみましょう。

A. 従来型の回答(事実の羅列)

私は慶應義塾大学の経済学部を卒業し、新卒で国内の中堅部品メーカーに入社しました。最初の1年は営業として勤務し、初年度は同期20人の中でトップの成績を収め、売上135%でルーキーオブザイヤーという賞も受賞しました。

その後3年目から生産管理部門に移動し、コスト削減や業務改革の法案に関わりました。さらなる成長機会を求めて外資系ITコンサルティングファームに転職し、SCMチームでグローバルサプライチェーンの構築やPMO業務を担当しました。最後はマネージャーとして10名ほどのメンバーを率いました。

今回御社を志望した理由は、世界50カ国に10万人が働く巨大ファームで、豊富なナレッジがあり、優秀な方達が多くいらっしゃると聞いたからです。

B. ストーリーテリング型の回答

私は学生時代から旅行が好きで全国を飛び回っていました。地方に行くたびに感じていたのは、技術力はあるのに売れない製造業が多く存在するということでした。そういった会社が世界で戦えるようにしたいという想いを抱き、あえて地方の部品メーカーに入社しました。

営業では相応の成績を収めることができましたが、3年目に生産管理部門に異動してから大きな挫折を味わいました。工場や現場の考えと本社の意向がなかなか合わず、何とかその溝を埋めようと様々な手法で業務改革を試みましたが、結果的により深い溝を生むことになってしまいました。

自分の情けなさを痛感し、「もっと成長したい」という思いから外資系コンサルティングファームに転職しました。激務の4年間でしたが、グローバルプロジェクトをこなす中で少しずつ成長を感じていました。

そんな中、前職のお客様から私個人にコンサルティングを依頼したいとご連絡をいただきました。とても嬉しく、その仕事を受けたいと伝えましたが、「売上が低く利益効率が悪い」という理由で会社から一刀両断されました。

その時強く思いました。「なぜ私はコンサルタントをしているのか。誰のために働いているのか」と。そんな中で御社を知り、本当の意味でクライアントが求めるものを提供するという方針に深く共感しました。昔からの夢である「日本の地方製造業を世界で戦える会社にする」ことを実現できるのは御社しかないと確信し、今日応募させていただきました。

結果の違い

A(従来型):履歴書に書いてある内容と同じで、印象に残らない
B(ストーリー型):感情の変化や具体的なエピソードで、面接官の心に刺さる

ストーリーテリング活用時の注意点

時間配分に注意

長すぎるストーリーは逆効果です。簡潔な回答が求められる質問では端的に答え、メリハリをつけることが重要です。

面接で使えるストーリーの作り方

大層なエピソードでなくても大丈夫です。今まで自分が経験したことで、そのとき何を思ったかを思い返してみましょう。

エピソードを選ぶヒント

以下のような「初めて」の体験から選びましょう。

初めて大きな責任を任された時、初めて挫折・失敗した時、初めてチームをリードした時、初めて新しい分野に挑戦した時、初めて重要な決断をした時、初めて評価された時などが挙げられます。

こうした経験を振り返りながら、自分の中でストーリーのストックを作っておくと良いでしょう。

まとめ

コンサル転職面接において、ストーリーテリングはあなたの価値や想いを相手に伝える最も効果的な手段です。

同じようなスキルを持つ候補者が多い中で、あなただけの物語を語ることで、面接官の印象に強く残る存在になることができます。ストーリーテリングの効果として、印象に残りやすく、共感を生み、差別化を図ることができます。

今日から自分のエピソードを選び、ストーリーを準備して、理想のコンサルティングファームへの転職を成功させましょう。

大森崇のプロフィール写真
リネアコンサルティング株式会社 代表取締役社長 大森 崇
1998年にリクルートグループ入社後、ベリングポイント(現PwCコンサルティング)にて、採用責任者として年間250名以上のコンサルタント採用や研修を担当。2008年にリネアコンサルティングを設立し、代表取締役社長に就任。今まで1万人以上の転職支援や、企業の採用支援RPOに関わる。企業の採用・経営支援に従事する傍ら、Gallup認定ストレングスコーチとしても活動。ビズリーチ「日本ヘッドハンター大賞」コンサル部門MVP、日経HRエージェントアワードMVPなど受賞歴多数。YouTube「コンサルキャリアch」運営。