Knowledge
  • TOP
  • >転職ノウハウ
  • >人事の視点

人事の視点から見た
レジュメ・面接対策

コンサルティング転職を成功に導く チェックポイント

コンサルティング業界への転職を目指す際は、書類(レジュメ)と面接に関して事前に対策を練ることが重要です。こちらではコンサルティングファームにおけるレジュメ作成時の注意点や、アピールポイントおよび面接対策についてご紹介します。

STEP1

レジュメ対策

コンサルティングファームは今も人気のある業界であり、さまざまな業界、業務経験者が対象となることから、入社を希望する方は非常に多く、企業によっては月間応募数が1000名以上になることもあります。よって、人事担当者は1日に何十通もの応募者のレジュメに目を通し合否を判断する必要があるのです。

誤字脱字が多いもの、業務内容が箇条書きで書かれていて内容が乏しいものは、それだけでNGとなるケースが多いですが、添付する写真にも留意する必要があります。プロに依頼して撮影した写真でなくても大丈夫ですが、基本的にはスーツで清潔感のある髪型、男性の場合出来れば派手ではないネクタイ着用のバストアップ写真を選択してください。

最近は応募する際は写真の添付が必須ではないものの、選考が進む中で提出を求める企業が増えているので、予めご用意しておくことをお勧めします。また、以下のようなレジュメもNGとなるケースが多いです

  • ボリュームが多く要点がまとまっていない
    年齢が上がり社数や経験業務が増えてくると、より多くのことを伝えたいという思いからボリュームが多くなりがちです。
    単に経験やスキルを羅列するのではなく、企業の採用要件を踏まえ、伝えたいスキルや経験を明確にした上で濃淡を付けて記載することをお勧めします。
    プロジェクトベースで記載する場合は、目的、役割、成果を明確にすると良いでしょう。
  • 性格(パーソナリティ)スキルの羅列
    自身の強みを記載する場合、まだ業務経験が浅い方は、アピールできる経験が少ないため、明るい、向上心が高い、統率力があるといった人物/性格面の記載が中心になります。
    それなりに経験を積んだ方は、業務知見や業界知見を中心にアピールした方が良いでしょう。パーソナリティは面接での非言語コミュニケーションも踏まえ判断することが多く、書類に記載された性格スキルは参考程度とする傾向があります。
  • センスがない

    レジュメを見た人が感じるであろう疑問に対する回答が記載されていないものは「センスがないレジュメ」と判断されます。例えば、

    • 転職が多いのに転職理由が記載されていないもの
    • 今まで経験してきた領域とは別の領域に応募しているのに、
      業務や経験の親和性やキャリアプランに関するコメントが記載されていないもの
    • 短期間で退職しているのに、その理由の記載がないもの

    面接の場であれば、その場で回答することで対処できますが、レジュメの場合はフォローができません。尚、エージェント経由の場合、レジュメではなく、推薦書という書類にて転職理由やキャリアプランを記載したり、電話やメールなどで伝えるという方法もあります。すると良いでしょう。

  • 情報漏えいの恐れがあるもの
    過去に担当していた公開不可なプロジェクトやクライアント名、新製品の発表や業務提携、企業統合の内容などがそのまま記載されているケースです。
    もちろんレジュメの内容は社外秘で扱われ、その内容が外部に漏れることはないのですが、応募先の人事とはいえコンフィデンシャルな内容まで記載するのは避けるべきです。
具体的な記載内容

面接時に提出するレジュメに記入すべきことは、取得している資格や単なる経験業務の羅列ではありません。もちろん、業務内容の親和性はチェックされますが、求められているのはどのような業務を行ってきたかではなく、その業務における役割、重要性、難易度、さらには個人とチームに分けた成果となります。アピールすべき情報は「あなたが今までにどのような業務をどのような役割で行っていたのか」そして「どのような成果を収めたのか」ということです。

  • 今までに関わってきた業務内容
  • その業務の重要性や役割、難易度など
  • その成果(個人とチームに分けた成果の詳細)

STEP2

面接対策

面接まで進むことができた場合、どのような点に留意して臨めば良いのでしょうか?面接では基本的に時間軸(過去、現在、未来)を踏まえて会話を展開してください。
『過去』は、今までどのような経験をしてきたのか、どのようなスキルを持っているのかという視点で、『現在』は、なぜこの企業に応募したのか、今までの経験やスキルを活かしどのような貢献ができるかという視点で、『未来』は、どのようなキャリアプランを持っているか、将来何をしたいかという視点となります。

  1. PAST過去(今まで)

    今までの経験
    得意領域(スキル)
    思考

  2. NOW現在(今)

    志望動機
    応募企業と自分の親和性
    貢献度

  3. FUTURE未来(これから)

    キャリアプラン
    ビジネスプラン
    志向

STEP3

面接官の着眼点を理解する

面接官の着眼点

面接を担当する相手によって、着眼点が異なることを理解しましょう。面接官が人事であれば、人物、志向、カルチャーへの適合度などパーソナリティに比重を置いているケースが多く、部門のマネージャークラスであれば、プロジェクトにおいてバリューが出るか、プロジェクトに必要な人材かどうか、つまるところ一緒に働きたいかどうかという視点でのジャッジとなります。もし、部門の責任者との面接であれば、「収益」という観点から稼働率、アサイン(プロジェクトへの配属)の可否、案件受注への貢献度など企業全体に貢献できるかという視点で面接を行うケースが多いのです。このように、面接官によって着眼点が異なるため、どのような方と面接を実施するのかを事前に把握し、それぞれの面接官に対応した対策を練る必要があります。

行動特性インタビューとは?

面接官はコンサルタント未経験の方の適性を見極めるために、その方の過去の行動特性をチェックします。これは「行動特性インタビュー」といって、応募者の過去の行動を深堀りすることで、その方の行動プロセスや思考パターンを浮き彫りにし、コンサルタントに必要なコンピテンシーとの適合を見極めるという手法です。この行動特性インタビューの対策としては、過去の経験に対し、どのように考えどのように行動したかを話せるように事前にシミュレーションをしておくことが重要です。
例えば今までの経験を教えてくださいという質問に対して、日常のルーティン業務以外に業務プロセスの見直しなどを行ったと回答したとしましょう。それに対して、『なぜ実施しようと考えたのか?』、『具体的に何をしたか?』、『苦労した点とその対処法』、『具体的な効果』、『その経験から得たものは何か?』など、ひとつの事象に対して深く堀り下げて質問をされます。よって、表面的な回答で切り抜けようとすると支離滅裂な回答になってしまいます。面接に臨む際に今までの経験を振り返り、ご自身の中で整理しておくと良いでしょう。

ケースインタビューについて

多くの戦略ファームがケースインタビューという面接手法を導入しています。ケースインタビューとは相手が論理的かつ説得力がある結論を導くことができる人物かどうかを見極める手法で、一言でいえば戦略コンサルティング業務のロールプイレイングです。具体的な例を挙げて説明しましょう。

Q

ABC社は現在
業界2位の電機メーカーだが、
今後、売上高を拡大することで
業界1位を目指したい。
そのためにはどうすれば良いか?

考え方

まず状況分析を行い、ゴールを確認しましょう。
このときに面接官に質問をすることが可能なので、必要な情報収集を行うために明確な質問をしてください。当然ですが、どんな質問をするかも評価の対象です。上記の例題でいえば、売上増加と利益増加は必ずしも同じではないことに注意し、売上増加のために何をすればよいか、何を知る必要があるかを考えてみてください。

状況分析として

  1. 1、マーケットシェアは?
  2. 2、競合他社との製品、品質、価格などの比較
  3. 3、競合他社のマーケティン活動や開発状況
  4. 4,顧客満足度は?

売上増加に向けての選択肢

  1. 1、販売量を増やす
    新しい顧客の開拓、流通チャネルの拡大、
    販売・マーケティングの強化
  2. 2、1人当たりの売上単価を増やす
  3. 3、値上げ

状況分析を踏まえ、売上増加に向けてどのような施策が良いのかを判断する。必ずしも正解は1つではありません。状況を的確に分析し、論理的かつ妥当な答えを導いているかが重要です。