転職アドバイス
事業会社からコンサルを目指す方
コンサルタントになる人とは?
コンサルティングの仕事とは企業が抱えるあらゆる 課題を解決する仕事であるため、様々な領域におけるコンサルタントが存在します。
例えば経営戦略や事業戦略 の立案からM&A、企業再生などを手掛ける戦略コンサルタント、 ITを活用することで経営戦略や業務効率化を考える ITコンサルタント、さらには、会計、SCM、CRM、人事など特定の領域を手掛けるコンサルタントなど様々です。
よって、あらゆる 方にコンサルタントへの転身のチャンスがあると言えますが、実際は非常に狭き門となっています。
では、どのような方が コンサルタントとして採用されるのでしょうか。人物面において 『求められる資質』があることが前提となり、このハードルが高いのですが、業務経験で言えば、以下の通り、様々な領域の方が 実際にコンサルタントに転身しています。
転職のベストタイミングとは?
事業会社で働いている方で、「将来はコンサルタントとして働きたい」と考える方は多いかと思いますが、転職するタイミングはいつが良いのでしょうか?
一般的に30~40歳ぐらいまでは事業会社で特定の領域の経験を積み、MBAやCPAの資格を取得してからでなければコンサルタントには転職できないとお考えの方が多いように思います。
ところが、現在、コンサルティングファームが注力している事業会社出身者の想定年齢は20代半ばから30歳半ば程度です。
もちろん経験やスキルによってはそれ以上の年齢の方の転職も可能ですが、選考基準は非常に高くなります。
若い事業会社出身者を求める理由?
コンサルタントとして必要なスキルを身に付けるにはある程度の時間が必要だと考えるファームが多く、事業会社出身者は特定の領域の専門性は有していても、独自の方法論やコンサルタントとしてのプロジェクトマネジメントなどの知識や経験が不足しているため、キャッチアップする期間が必要だという考え方が主流です。
又、年齢が高くなると独自の価値観や思考が固定化する傾向があるため、まだ価値観や思考が固定化していない若手の方が成長スピードが早く、ポテンシャルが高いと判断する企業も多いようです。
コンサルタントにキャリアチェンジしたいとお考えの方は、早いタイミングで転身を図ることをお勧めします。
コンサル業界内の転職を目指す方
コンサルファームの規模について
大手コンサルティングファームと中小コンサルティングファームでは 規模の違いからワークスタイルやキャリア形成に特徴があります。
例えば、大手ファームであればソリューション、ナレッジなどが豊富であり、大規模プロジェクトに関わる機会が多いのが特徴です。
又、グローバルネットワークやブランドが確立されているのも魅力です。
ただし、組織が明確であるがゆえに特定の業界と同じようなプロジェクトに長期間アサインされ、キャリアの幅を広げることが難しかったり、ある程度経験を積まなければプロジェクトマネジメントのような仕事が出来ないということもあります。
これに対して中小コンサルティングファームはプロジェクトの規模が比較的小さく、ナレッジが限定的だったりしますが、特定の領域において高い専門性と独自のソリューションを有している企業もあります。
又、アサイメントの柔軟性が担保されている企業も多く、キャリアの幅を広げることが容易であったり、若い頃から裁量権のある仕事に従事できるという特徴もあります。
ホームページの募集職種について
業界内での転職に際して重視すべきことは、ホームページなどに掲載されている募集要件と実際の募集要件が異なる点です。
コンサルティングファームの採用要件(ニーズ)はプロジェクトの受注状況により刻々と変化します。
急募案件だったので採用意欲が高いと思い応募したところ、実はポジションがクローズとなっており、結果的に書類選考でそのままNGとなることもあるのです。
また、ビジネス環境の悪化から採用を控えていても、「採用を積極的に続けている企業=成長している企業」というイメージを伝えるために職種情報を掲載したままにしているケースもあります。
現在、コンサルタントとして働いている方は、ご自身の経験やスキルと募集要項の内容を照らし合わせ、さらに募集職種ごとの採用意欲を確認した上で応募されることをお勧めします。
業界内転職で年収UPは可能か?
業界内での転職を考えている方は、当然ながら転職をすることで年収を上げたいと考えていると思いますが、転職すれば必ず年収が上がるとは言い切れません。
最近「年収が数百万は上がりますと」言って転職を促すエージェントがいます。
しかし、多くのコンサルティングファームはタイトルとスキルに応じた人事制度を導入しており、他社とのバランスを図りながら年収レンジを調整しているため、劇的に年収が上 がるケースというのは稀です。
給与が数百万も上がるケースとは…?
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- CASE 1
- 給与バランスを崩してでも
先行投資で採用したいという
ケース
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- CASE 2
- 事業部門の立ち上げなど
採用戦略上、必要不可欠な
ポジションで採用されるケース
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- CASE 3
- クライアント(案件)の
獲得や他のメンバーの採用が
見込めるケース
なお、数十万単位で年収を上げることは可能ですが、さまざまな状況を鑑みながら論理的に企業と交渉する必要があります。年収交渉については当社独自の方法論 がございますが、具体的な方法については、ここでの記載を控えます。業界内での転職を検討されている方は単に年収をUPさせることだけではなく、業務内容や裁量権、 さらには企業のビジョンやカルチャーなども含めて企業を選択されることをお勧めします。
コンサルタントへの転職事例
大手コンサルファーム/
ERP導入コンサル
年収800万円
Change
独立系コンサルファーム/
戦略コンサルタント
年収1000万円
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- 転職の動機
- 新卒でコンサルファームに入社して10年目。一貫して製造業を中心としたERPの導入支援を担当。主に会計領域の業務要件定義やプロジェクト管理などの業務に従事してきた。
本人はERP関連のコンサルではなく、戦略や他の業務領域のコンサルタントとして経験の幅を広げたいと考えて転職活動をしていたが、サイトに登録しても紹介されるのはERP関連の案件ばかり。そんな中で知人からリネアコンサルティングを紹介され面談を実施。
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- エピソード
- A氏の希望を聞いてみるとERP導入支援以外の経験を積みたいとのこと。32歳という年齢で未経験領域にキャリアチェンジする場合、年収が下がることも多く、環境面など転職に伴うリスクも高いのですが、本人の覚悟や将来に対する想いを知り、また、新卒からコンサルファームで揉まれていたため、一定の論理性や対話力を有していたことから、ある独立系のコンサルファームの戦略部門立ち上げメンバーを探してたY社を紹介。旧来型の戦略ではなく、ITの活用も踏まえた戦略コンサルを確立したいという方針とも合致しオファーに至った。
ポストコンサルを目指す方
事業会社への転職の注意点
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point1
- 実際の業務内容を確認すること
- 例えば、経営戦略の立案や事業企画ができるという話で大手企業の経営企画部門に転職したにも関わらず、実際には数字の取りまとめとマネジメントへのレポートの作成のみの仕事だったというケースがあります。『経営企画』という業務でも企業ごとに定義が異なるため、特に業務内容については細かく確認する必要があります。
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point2
- 年収などの条件面を確認すること
- 事業会社でも外資系の企業であれば、現在と同額かそれ以上の年収を確保できる可能性はあります。
しかし、日系の企業に転職する場合は年収が下がるケースもあります。これは人事制度の仕組みや考え方そのものが異なるためです。
よって、事業会社に転職する際は事前に条件の優先順位を明確にしておくことが重要です。
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point3
- コンサル出身であることが
プラスに働かないケースがあること - コンサル出身者というだけで喜ばれることもありますが、逆にコンサル出身者に対して「机上の空論ばかりで実際に手足を動かさない」とか「頭は良くても人間味がない」というイメージを持っている方もいるので注意が必要です。
中途採用の実績、過去にコンサル出身者を採用したことがあるか、異業種出身者に対しての理解があるかなど、働く環境に関しても確認しておきましょう。
- コンサル出身であることが
事業会社への転職事例
監査法人系コンサルファーム/
会計コンサルタント
年収700万円
Change
外資食品メーカー/
財務戦略部
年収700万円
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- 転職の動機
- 海外の大学を卒業後、新卒でコンサルファームに入社。主に会計領域のコンサルタントとして従事。同期の中でもプロモーションが早く、クライアントからの評価も高かったが、自社の成長に当事者として貢献できる仕事がしたいという想いから事業会社を中心に転職活動を進めた。
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- エピソード
- 若いうちからコンサルファームで鍛えられたM氏は、地頭も良く、語学も堪能で周囲を巻き込みながら物事を推し進める力に長けていた。どの企業でもオファーが狙える状況だったが、自らの能力を発揮することで自社の業績回復に貢献したいという想いがあったため、現時点で業績の良い企業ではなく、あえて業績が低迷している企業を選択。
入社後はコンサルタントとしての経験を生かし、業務プロセスの変革や新しい事業の立ち上げなどにも積極的に関わっている。