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コンサルタントとは?

近年、コンサルティングビジネスが広く認知され、就職先として学生の人気も高まっていますが、 そもそも、コンサルタントとはどのような仕事なのでしょうか。ここでは、仕事、役割、やりがいに分けて考えてみたいと思います。

コンサルタントの仕事

一言で言えば、「クライアントの抱えるさまざまな経営課題を客観的に分析し、最適な解を導き出す仕事」です。ここで言う「解」とは、解決方法を示すだけではなく、その実行までを含みます。よって、仮説検証プロセスで課題を定義して解決方法を示すだけでなく、その課題の解決に向けてクライアントと共に実行するのがコンサルタントの仕事なのです。

頭脳明晰な人たちが緻密な計算に基づいて作成した資料を基に、クライアントにプレゼンをして数億の契約を取り付ける……。
それがコンサルタントの仕事だとイメージしている方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際は非常に多岐に渡る業務があり、成果をコミットしてクライアントと共に汗を流す(実行する)という意味では、非常に泥臭い仕事なのです。
コンサルタントの仕事は「クライアントの抱える課題を解決する」という意味で医者の仕事に似ていると言われています。仮説を立てて原因を特定し、その課題を解決するために治療を施していく。そのプロセスは、まさにコンサルタントの仕事そのものです。一般的にクライアントからの依頼の多くは悪化している箇所を特定して取り除く、もしくは改善するという西洋医学(対症療法)的なものが多いですが、最近はリスクマネジメントや戦略的M&A、さらには会計基準のコンバージェンスなど経営が悪化する前に手を打つものや法律に準拠するための対応、つまり、体の調子を整え体が本来持っている自然治癒力を引き出す、または、体が悪くないように事前に対処するという東洋医学的な依頼が増えています。

コンサルタントの役割

まだマーケットにコンサルティングというビジネスが定着していない頃は海外の事例や方法論を クライアント向けに加工して提供するだけでビジネスが成立しました。しかし、IT技術の発達に伴って世界中のあらゆる情報を誰でも瞬時に入手できる時代になると、コンサルタントの役割は情報提供だけではなく、必要な情報を的確に選択し活用することにシフトしました。 現在のコンサルタントとしての役割を纏めると、専門的な知識、手法、ナレッジを提供する役割、客観的な立場で物事を進めるファシリテーターとしての役割、さらには改革を推進する上で不足するマンパワーの提供という役割など多岐に渡ります。ただし、クライアントが期待する役割バランスは状況に応 じて異なるため、クライアントと役割や期待についての共有が出来ていないと失敗する(俗に言うと火が噴く)プロジェクトに発展してしまう事もあります。

  1. 1

    専門的な知識、
    手法、ナレッジを
    提供する役割

  2. 2

    客観的な立場で
    物事を進める
    ファシリテーター
    としての役割

  3. 3

    改革を推進する上で
    不足する
    マンパワーの提供

コンサルタントのやりがい

コンサルタントとしてのやりがいは何でしょうか?そもそもコンサルタントはクライアントに対してプロジェクト単位で予算、期限を明確にした上で業務を行います。請求額はコンサルタントが実際に働いた時間でチャージすることが多く、契約金額(チャージ金額)は非常に高額になります。また、クライアントの依頼内容は経営に直結するものが多く、そのプロジェクトの成功が会社の命運を左右することもあるため、 コンサルタントへの要求レベルは非常に高くなります。
その期待に応えるために長時間働くことを余儀なくされたり、過度な精神的プレッシャーを受けたりすることも稀ではありません。 よって、コンサルタントは肉体的、精神的にタフでなければ務まらない仕事だと言えます。

では、なぜそんな大変なコンサルタントという仕事を選択する方が多いのでしょうか?
それは、それぞれのコンサルタントが「やりがい」を持っているからです。コンサルタントのやりがいとは人によって多種多様だと思いますが、当社が考えるコンサルタントのやりがいとは「経営者としての視点を持ち、若い頃から経営に関わる仕事ができる」ということです。若い頃からクライアントの経営に関わるほどの大きな仕事ができるのは、コンサルタントという職業の大きな特徴です。自分なりの「やりがい」をしっかりと持っていれば、厳しい労働環境やクライアントの要求レベルの高さは自己成長の機会だと捉えることができます。ただし、そうでない方にとっては苦痛でしかありません。当社がこれからコンサルタントを目指す方にお聞きしたいのは、「なぜ、あなたはコンサルタントを目指すのか?」ということです。
その「解」が自分の腹に落ちているということが、コンサルタントという職業を選ぶ上での必須条件なのです。

コンサルティング領域

コンサルティングの領域は多岐に渡ります。大手ファームなどは『ソリューション』と②『業界』のマトリックス型の組織に分かれています。(図1)ソリューションは会計、SCM、人事など特定の業務領域にフォーカスした部門であり、KPIとしてはマーケットに求められるスキルを身につけることです。現在の市場におけるニーズだけではなく、市場の変化を見極め、どのようなスキルや経験が必要かを考えておく必要があります。最近ではAI、RPA、IoT、セキュリティ、デジタル、イノベーションなど新しい領域のコンサルティングも増えています。もう1つは業界特化型のコンサルティングです。各業界における専門性や特性を踏まえ、戦略から業務、ITに至るまで広くコンサルティングを行っていく部門です。KPIとしてはクライアントとの関係構築やセールス面の期待、プロジェクトマネジメント力などが求められます。

  • Strategy

    戦略・イノベーションコンサルタント

    主に企業戦略、事業戦略、マーケティング戦略、組織戦略、M&A、IT戦略、調達戦略などの経営戦略策定をメインにコンサルティングを行います。システム導入など実行までは関わらず、戦略の立案等、上流工程にフォーカスしているのが特徴です。最近ではデジタルを活用したビジネス創出やデザインの手法や思考を活用したコンサルなども増えています。

  • M&A

    財務・会計コンサルタント

    M&Aに関連するM&Aアドバイザリーや財務デューデリジェンス、バリュエーション、事業再生、リスクマネジメントから決算早期化支援、内部統制、経理、財務業務改革、連結経営管理、 会計基準変更(コンバージェンス)など財務、会計領域において業務領域は多岐に渡ります。 専門的な知識などが求められるため、CPAなどの有資格者などが多いのも特徴です。

  • SCM

    SCMコンサルタント

    主にメーカーに対して調達、製造、物流、販売などの業務改革からシステムの導入まで担当するコンサルタントです。 具体的には需給調整、調達リードタイム/コスト削減、物流サービス・物流コスト・在庫の最適化、システム導入など多岐に渡り、 特に近年はグローバル案件が多いのが特徴です。

  • CRM

    CRMコンサルタント

    マーケティング、営業(販売)、カスタマーサービスに関する戦略立案・業務改革、関連システムの導入、 顧客戦略(最適な顧客セグメント)に基づいたマーケティング分析、コールセンターの戦略的構築 顧客情報統合支援、顧客満足度の向上支援などを行うコンサルタントです。

  • HRM

    HRMコンサルタント

    人事コンサルタントとも言われるHRMコンサルタントは主に人事戦略立案、目標管理・賃金・報酬などの制度設計、 組織変革、チェンジマネジメント、退職金や年金制度の改革、人事システムの導入など 人に関するあらゆる領域のコンサルティングを行います。

  • IT/ERP

    IT/ERPコンサルタント

    SEがシステム導入や開発をメインで行うのに対して、ITコンサルタントは全社戦略の中におけるIT戦略を実行支援する役割となります。よって、単にシステムに精通しているだけでなく、業務にも詳しいことが求められます。ITコンサルタントは業務要件からシステム要件を取りまとめ、システム導入時にはプロジェクトマネジメントとしての役割を担うため幅広い経験や能力が求められます。特にSAPなど基幹系システム導入経験者の採用ニーズは高く、更に語学力が高い方の市場価値は高まっています。

  • Digital

    デジタルコンサルタント

    デジタルを活用したマーケティング戦略、AI、RPAの活用、IoT、Analytics、UI/UXのデザインや顧客体験設定、さらにはFintechやセキュリティなど、デジタルを活用した幅広い領域で新規事業開発や経営改革を行っています。エンジニア出身者や広告代理店やマーケティング関連会社からの移籍も増えています。

  • Industries

    インダストリー(業界別)
    コンサルタント

    特定の業界に対して様々なソリューションを提供するコンサルタント。 担当する業界の業務に精通していることはもちろんですが、業界の展望や課題などの情報に精通していること、 多岐にわたるソリューションの知見、さらには業界における主要企業とのコネクションなどを持っていることも重要です。 プロジェクトマネジメントや営業(数字)に対する役割期待が高いのも特徴です。

キャリアパス

コンサルタントには、役割に応じたタイトル(役職)があります。最初は情報収集などが主な業務となる「アナリスト」から始まり、最終的には経営を担当する「パートナー」になるまで、役職に応じて職責が重くなっていきます。コンサルティング業界のキャリアパスについて詳しく知り、将来的な目標を、より明確に描きましょう。

コンサルタントのVSOP

コンサルタントのキャリアは「VSOP」と覚えてください。それぞれ、

  • V(Variety)多様性
  • S(Specialty)専門性
  • O(Originality)独創性
  • P(Personality)人格

の頭文字となります。

若いうちはさまざまなことを貪欲に吸収し、知識や経験を蓄える時期です。コンサルタントの基礎となる能力を身に付け、幅広く経験することが求められます。

「VSOPの働き方」
VSOPの働き方

その後、プロジェクトやチームをリードする役割を担う時期になると、今後、自分が強化したい専門領域を明確にする時期となります。ITなのか会計なのかSCMなのか、など自分のキャリアの方向性を決める時期です。
その後、さらに経験を積むと、特定の領域に強いコンサルタントというだけではなく、自分ならではのオリジナリティが必要となります。例えば「会計領域に精通したコンサルタントだが、製造業の連結経営管理にも強く、グローバル案件の経験が豊富である」とか「SAPの導入経験があるだけではなく、サプライチェーンの生産管理や在庫管理などの業務にも精通している」など、特定の領域の中でさらに細分化された専門性を身に付けたり、ソリューションだけではなく、業界軸での専門性を高めるなど自分ならではの個性が求められます。
そして最終的に会社のマネジメントクラスになると、メンバーの指導やクライアントとのリレーション構築はもちろん、さらに人としての魅力が必要となります。コンサルティングファームのトップに立つ人は、経験の豊富さや頭の良さだけではなく、人としての魅力がなければ務まりません。多くのメンバーから慕われ、クライアントからも必要とされるからこそ、厳しいコンサルティングファームのマネジメントクラスとして勝ち残れるのです。そうでなければ短命政権で終わり、転職すら危ぶまれる状況に陥り兼ねません。コンサルタントを目指している方は、ぜひ「VSOP」を念頭においてキャリアの構築を図ってください。

一般的なキャリアパス

  • V

    アナリスト・アソシエイト・リサーチャーなど
    1~3ヶ月程度の研修にてビジネスマナーからコンサルティングの方法論などを体系的に学んだ後、プロジェクトにアサインされます。プロジェクトではコンサルティングに必要な情報収集や分析、資料作成、プログラミングなどが主な業務となります。新卒入社した際のスタート地点であり、コンサルタントとしての基礎となるスキルを学びます。
  • S

    コンサルタント・シニアアソシエイトなど
    プロジェクト内の実働を担当するのが主な業務です。学んだ知識を実際の業務を通じて経験値化させる時期であり、一定の範囲の業務を任せられますが、それに見合うだけのセルフマネジメント能力が求められます。
  • O

    マネージャー・プロジェクトマネージャー・マネージングコンサルタントなど
    プロジェクト進行における責任者です。クライアントの要望を汲み取り、コンサルタントやアナリストに対して明確な指示を出す役割を担っています。業務は非常に幅広く、様々な役割や能力が求められます。
  • P

    パートナー・ディレクター・ヴァイスプレジデント・プリンシパルなど
    経営者として企業の運営に携わります。具体的な業務としては営業活動、プロジェクトの管理、メンバーの指導、さらにはセミナーでの講演や書籍の執筆など多岐に渡ります。コンサルタントが目指す到達点の一つです。

あるコンサルタントのキャリアパス ~アナリストからパートナーまで~

  • アナリスト
    新卒としてコンサルティングファームに入社しました。
    まずは情報収集や分析を始め、ミーティングの議事録作成などを担当。それらの業務の合間に勉強を続け、1年が過ぎたころにはプロジェクトに関わるミーティングに参加できるようになりました。仕事は非常に忙しく、帰宅が遅くなる日が続いたこともありましたが、何でも貪欲に吸収しながら充実した日々を過ごしました。
  • コンサルタント
    入社から2年ほど経ってからコンサルタントにキャリアアップしました。
    ここから、クライアント先のメンバーと直接話をする機会が与えられたり、部分的に切り出された領域とはいえ、提案書や報告書の作成を任されたりするようになりました。また、新卒入社のメンターとしての役割なども与えられ、コンサルタントとしての楽しさと自己の成長が実感できるようになりました。
  • マネージャー
    コンサルタントとしてのキャリアを積み重ねてクライアントの人脈も増え、さまざまな仕事をもらえるようになったことが評価されて、マネージャーにキャリアアップしました。
    プロジェクトではリーダーとして、クライアントとの折衝や提案などを行うとともにシステム開発のプロジェクトにおいてはアライアンスパートナーの取りまとめなども担当することになりました。クライアントからは直接指名していただくこともあり、コンサルタントとして非常に充実した日々を過ごしました。また、仲間と共に新しいソリューションの開発や営業なども精力的に行いました。さらには、社内だけではなく、社外の交流会にも積極的に参加することで、さまざまな人脈を形成することができました。
  • パートナー
    プロジェクトを成功に導いた実績とクライアントとのネットワーク構築の結果が認められ、パートナーに就任しました。
    今までの仕事とは異なり、さまざまなプロジェクトの統括を同時に担当するようになりました。当然ですが、高い受注(売上げ)目標が与えられているので、営業に行く機会も増えました。また、執筆活動を行ったり、ビジネスセミナーにて講演を行ったりする機会も増えました。現在は総勢100名のメンバーを率いており、若手社員の成長を見守るのが非常に楽しい毎日です。
    ちなみにパートナーとなっても、1週間に最低5冊は本を読んでいますし、社内外の人脈形成は今まで以上に積極的に行っています。時代に取り残されないように新しいソリューションやビジネスをキャッチアップする必要もあります。椅子に座って指示を出すだけの仕事ではないですね。将来は独立して、自らのコンサルティングファームを設立したいと考えています。