ブログ
戦略ファーム「A.T.カーニー」の実態とは?戦略コンサル転職で知っておくべきリアルな働き方
戦略コンサルティングファームへの転職を検討している方にとって、「実際の業務内容は?」「ケース面接対策は?」「働きやすさは?」といった疑問は尽きません。本記事では、A.T.カーニーで現役マネージャーとして活躍するディディさんへのインタビューを通じて、戦略コンサルのリアルな実態と転職成功のポイントを詳しく解説していきます。
A.T.カーニーへの転職──ディディさんのキャリアストーリー

エンジニアから戦略コンサルへの転身
ディディさんは2010年に来日し、2012年に大学院留学を経て、東芝でエンジニアとして約4年間勤務していました。専門は水力発電のエンジニアリングでしたが、業界の狭さを感じ、転職を決意することになります。
A.T.カーニーを選んだ理由
当時はまだ日本に長く住むつもりはなかったため、短期間でいろんな業界を見られる仕事を求めていました。そこで戦略コンサルティング業界に注目し、2017年にA.T.カーニーへアソシエイトとして入社しました。現在はマネージャーとして活躍しています。
A.T.カーニーでの戦略コンサルの業務内容

ハイテク業界チームでの戦略立案
ディディさんは現在、マネージャーとしてハイテク業界チームに所属しています。ハイテク業界チームでは、製造業や半導体業界の大手企業に対して戦略領域に特化したコンサルティングサービスを提供しているのが特徴です。
戦略コンサルの具体的なプロジェクト事例
A.T.カーニーでの戦略コンサルプロジェクトは多岐にわたります。
- M&A戦略 – 企業の買収・統合に関する戦略立案
- 成長戦略 – 中長期的な事業成長のロードマップ策定
- 新規事業開発 – 市場分析から事業戦略まで
- マーケティング戦略 – 製品・サービスの市場投入戦略
新規事業開発の戦略コンサル実例
例えば、クライアントが新製品を開発した場合、戦略コンサルタントとして以下の業務を担当することになります。
- どの業界・用途に適用できるかのリサーチ
- クライアントの強みの分析
- 競合調査・市場調査
- 販売戦略・マーケティング戦略の立案
製品特性を踏まえながら、販売戦略やマーケティングも含めて網羅的に戦略を立案していくのが、戦略コンサルの醍醐味といえるでしょう。
戦略コンサル転職後に直面する壁と克服方法

アソシエイト2年目の苦悩
ディディさんが戦略コンサルとして最も大きな壁にぶつかったのは、アソシエイト2年目、マネージャー昇進の手前の時期でした。
約4年間コンサルティング業務に従事してきたものの、クライアントが何に悩み、どういった状況で仕事を依頼してきたのかを深く理解できていなかったのです。自分がどこに価値を提供しているのか、どこに意味があるのかが分からなくなってしまいました。
A.T.カーニーの出向制度を活用した解決策
この壁を乗り越えるため、ディディさんはA.T.カーニー独自の出向プログラムを利用しました。この制度では、クライアント企業に半年から1年間出向し、A.T.カーニーの席は残しながらも、出向先で実際に業務を行うことができます。クライアントの視点から仕事を経験することで、真のニーズを理解できるというわけです。
出向経験で得た戦略コンサルとしての成長
出向を経験することで、ディディさんの考え方は大きく変化しました。出向前は、コンサルタントとクライアントの間に大きな距離感を感じ、クライアントを「神様」のような存在として捉えていました。しかし、実際に出向してみると状況は一変します。
- クライアントとの距離感が縮まる
- 相手の悩みが明確に理解できるようになる
- その悩みを解決すること自体が価値になると実感できる
戦略コンサルタントとして、クライアント企業の中で実業を経験することは、コンサルタントとしての視野を広げる貴重な機会となるでしょう。現在もA.T.カーニーでは約5名が出向中です。
戦略コンサル転職のケース面接対策──合格のポイント

A.T.カーニーのケース面接で重視される能力
戦略コンサルへの転職では、ケース面接が最大の関門となります。A.T.カーニーの面接官として、ディディさんが最も重視しているのは以下の2点です。
- ロジカルシンキング能力 – 論理的に考えられるか
- コミュニケーション能力 – 論理的に考えた結果を納得できる形で伝えられるか
戦略コンサルのケース面接で評価されるソフトスキル
ハードスキルだけでなく、ソフトスキルも重要な評価ポイントとなっています。
- 自信を持ったスタンス – 自分の考えに自信を持って発言できるか
- 柔軟性 – フィードバックを受け入れ、考えを修正できるか
ケース面接と実務の関連性
実際の戦略コンサルの業務でも、クライアントにアウトプットを提示する前に、マネージャーと「こういう考え方でこういう内容を出したいがどうか」とディスカッションするのが日常です。
「自分の考えが正しい」という姿勢では最良のアウトプットは作れません。お互いに柔軟性を持って議論することが、戦略コンサルタントとして成功する鍵となるでしょう。
A.T.カーニーのケース面接評価プロセス
A.T.カーニーのケース面接には評価シートがあり、論理性、柔軟性、独創性などの項目が評価されます。
各面接官が評価して点数をつけ、総合点が基準を超えるかで合否が決まる仕組みです。一人だけでなく複数の面接官が評価し、3〜6回の面接を通じて総合的に判断されることになります。
戦略コンサルにおける女性の働きやすさ

A.T.カーニーの男女平等な評価制度
戦略コンサルティングファームであるA.T.カーニーでは、女性・男性という区別は重要ではなく、仕事への貢献度でちゃんと評価されるのが特徴です。
男女に関係なく、成果を出せば昇進できる環境が整っています。
事業会社と戦略コンサルの評価制度の違い
ディディさんの前職では、男女差よりも年齢が評価に影響していました。年上の人の方が評価が高い傾向があり、新入社員や若手には大きな仕事が任されにくく、評価も平均的になりがちでした。
一方、戦略コンサルティングファームでは状況が大きく異なります。女性・男性・年齢は関係なく、ポジションに応じた仕事が与えられるのです。成果を出せば、性別に関係なく適切な評価と報酬を得ることができ、優秀な女性コンサルタントも多数活躍しています。
A.T.カーニーへの戦略コンサル転職を考える方へのメッセージ
A.T.カーニーの特徴として、以下の点が挙げられます。
- 規模がコンパクトで、上司や社長、パートナーとも直接コミュニケーションが取りやすい
- クライアントと直接対話しながらサービスを提供
- 社会にインパクトのある仕事ができる
- 自分の仕事が世の中に残る意味のある仕事
戦略コンサルへの転職を考えている方にとって、コンサルティング業界は一つの有力な選択肢となるでしょう。
非常に大変な仕事ではありますが、それに見合うやりがいがあるのも事実です。
まとめ──A.T.カーニーと戦略コンサル転職の実態
A.T.カーニーをはじめとする戦略コンサルティングファームへの転職には、幅広い業界経験を積める機会、社会的インパクトのある仕事に携われること、そして実力主義の評価制度という魅力があります。
戦略コンサルへの転職を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、ケース面接対策として、論理的思考力とコミュニケーション能力を磨くことが不可欠です。次に、自信を持って自分の考えを主張しながらも、フィードバックを柔軟に受け入れる姿勢が求められます。さらに、クライアントのビジネスにおける本質的な課題を的確に捉える理解力も、コンサルタントとして成功するための重要な要素となります。


