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PwCコンサルティング合同会社

戦略の策定から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供しているPwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)。2016年には組織改編もあり、今まさに、新しいステージを迎えている。2020年7月に同社の代表執行役 CEOに就任した大竹 伸明氏に、自身のキャリアやPwCコンサルティングの今後の展望、求めている人物像について話をうかがった。

ベンダーに転職したことで、改めてビジネスコンサルティングの面白さに気づいた

大森

新卒でPwCコンサルティングに入社されてからのご経歴を教えてください。

大竹氏

私のコンサルタントとしてのキャリアは、海外企業への出向からスタートしました。その企業の製品を日本にローカライズするプロジェクトで、日本でリリースするにあたり、必要な機能検証や要件をまとめ、開発者と共に案件を進めました。
日本に戻ってからは、その企業が日本でビジネスを立ち上げるため、展示会に出たり製品デモを見せたり、製品開発支援とプリセールス半々で案件に携わりました。また、初めてその製品を導入した企業のプロジェクトにも関与したことがあります。

大森

大竹さんの転機となったエピソードを教えてください。

大竹氏

前任のプロジェクトマネージャーが体調不良でやむを得ずプロジェクトを離脱し、その後継を任された案件が私の転機となったと言えるでしょう。私はまず、クライアントをはじめ関係者にヒアリングを行い、プロジェクト全体の進捗を把握することから始めました。コンサルタントとして当時10年ほどのキャリアだった自分なりに、これまでの経験や知恵を出し切り、全力で挑みました。

進捗確認時に挙がった問題点や課題も、クライアントやその関係者を巻き込んで整理したことで解決が進み、結果的にクライアントにもご理解いただける範囲のスケジュールでプロジェクトは着地。突然の大役でしたが、追い込まれた状況の中で、自分自身のキャパシティが広がったと思えた経験でした。

大森

2011年にはベンダーに転職されています。転職の理由を教えてください。

大竹氏

今後、クラウドの時代になると考え、ベンダーで経験を積みたいと考えて転職し、コンサルティングサービス部門のリーダーを3年務めました。

さまざまな紆余曲折や失敗を経ながらも、世界中のユーザー(企業)を、自分たちの思い描くテクノロジーの方向性に追随させる様子を見たことは、非常に貴重な経験でした。また、クラウドに進んでいく技術的な流れの中で、コンサルタントが貢献することの価値も知ることができました。

そして、もう一度ビジネスコンサルティングの領域に戻りたいと考えるようになり、2014年にPwCコンサルティングに戻って今に至ります。

マーケットに貢献するため、専門性を高めたい

大森

コンサルティング業界に身を置く中で、時代の変化やコンサルティング業界の変化をどう感じられていますか?

大竹氏

コンサルティングの市場やそのビジネス規模は大きくなっていますが、クライアントからはスペシャリストを求める傾向が高まっていると感じます。ただ、専門性と規模を兼ね備えているコンサルティングファームはそう多くありません。PwCコンサルティングは国内に約3,000名のメンバーが所属しています。私たちはある程度の規模を保ちながら、より専門性を高めていくことがマーケットに貢献できるポイントだと考えています。

大森

専門性を追求していくために、どんな取り組みをされていますか?

大竹氏

当社は長い歴史の中で、コンサルティング会社としてのベースを作ってきました。そして、2016年には組織改編も行い、新しいステージに進んでいます。

現在私たちは、統合的なソリューションセットとして、体系別のコンサルティングメニューを作り、さらに専門のケイパビリティを持ったコンサルタントの連携を強めるため、統合型のオファリングも行っています。例えば、ストラテジーコンサル、マネジメントコンサル、ビジネスアプリケーションコンサル、それらを支えるサイバーなどのテクノロジーコンサルなど、それぞれが非常にナチュラルにつながっています。

これは当社の強みと言えますが、なかなかクライアントに伝わりにくい部分でもあります。そこで、近年、統合型のオファリングとしてマーケットにリリースすることを開始しました。その一つのキーワードが、「AI経営」です。

これまで、AIは、商品開発や製品のサステナビリティに使われることが多かったのですが、今後は、より経営や事業の中に向けて活用を進めていけると思われます。そこで、その部分に着目し、私たちの強みを活かしたサービスが提供できるように取り組んでいます。

他の取り組みとしては、サブスクリプションとSaaSの準備も進めています。

私たちがこのように専門性を追求していくことで、サービスを提供できるクライアントの数が限られることがないように、一人のコンサルタントが提供できるクライアント数を増やせるよう計画し、その準備もスタートしています。

今日のスペシャリストが明日のスペシャリストとは限らない。ステップアップし続けたい人にJoinしてほしい

大森

変化の多い時代において、PwCコンサルティングが求めているのはどんな方でしょうか?

大竹氏

専門性を高める方向に舵を切っているので、もちろんスペシャリティを持つ方にこしたことはありません。
しかし、今日のスペシャリストが明日のスペシャリストだとは限りません。今持っているスペシャリティで残りのビジネス人生を過ごしたいという人ではなく、今のスペシャリティを活用して、さらにステップアップしたい、今までと違うアプローチで問題解決に向かいたいという挑戦の気持ちをもつ人を求めています。
PwCコンサルティングはそのような方たちと成長していける会社でありたいと願っています。

大森

他の総合ファームと比較したPwCコンサルティングの特長を教えてください。

大竹氏

約3,000人の専門性をつなぎ合わせるコラボレーション力は、ほかの総合ファームからきた方も驚きます。また、私たちはPwCグローバルネットワークのメンバーファームです。国内には監査、税務、法務、ディールアドバイザリー等を専門とする関連法人もあります。ですから、クライアントが監査法人の視点を求めていたときに、社内で知見を持つメンバーを探せば直ぐにつながることができます。同様に、グローバルとの連携も強く、より詳しい情報をグローバルに所属するメンバーから取り入れることも容易に可能です。

大森

なぜ、コラボレーションが強いのでしょうか?

大竹氏

PwCコンサルティングは、「人」を大切にする社風だからです。
誰かが困っている、だからこそ連携が必要になります。もしもその連携でKPIに影響がでるのであれば、良い連携を大切にし、KPIのほうを変えてしまおうという発想です。
連携が強いことは、コンサルタントの働きやすさにもつながりますし、結果的にクライアントに安心感を与えます。

大森

現在のビジネスの状況や、今後の展望を教えてください。

大竹氏

COVID-19の影響は受けましたが、現在は止まっていた案件やプロジェクトも活発に動き出しており回復基調にあります。ただし、社会全体を捉えた際に本格的なアフターコロナの事業改革はこれからかと思っています。

大森

さまざまな企業で最新のITテクノロジーに触れてきた大竹様が率いるPwCコンサルティングだからこそ、戦略とITを融合させたソリューションなど、新たな取り組みを実行していけるのだと感じました。最後に求職者の方にメッセージをお願いします。

大竹氏

PwCコンサルティングは新たなステージに入り、変化の多い経営課題にスピーディーに対応できるよう取り組みを進めているところです。常にスペシャリストであろうと、事業価値、ソリューション価値を高めていく当社で、コンサルタントとしての専門性を高めていきましょう。

左:PwC大竹氏 右:弊社大森

構成・編集:久保佳那
撮影:櫻井文也

※本記事の内容はすべて取材当時のものです。