PwCコンサルティング合同会社
PwCコンサルティング合同会社(以下、PwCコンサルティング)のパートナーである丸山氏とディレクターの髙木氏は共に戦略系コンサルティングファームの出身者だ。 髙木氏は「PwCコンサルティングは次世代型のコンサルタントを目指せる環境だ」と語り、「やりたいことを自由にできる環境をつくることが自分のミッションだ」と丸山氏は語った。 戦略マーケティング領域におけるPwCコンサルティングの強み、他のBIG4との違い、求める人物像などをうかがった。
戦略系コンサルティングファーム出身の二人が、PwCを選んだ理由
大森
お二人のこれまでのキャリアとPwCコンサルティングに入社されたキッカケを教えてください。
丸山氏
新卒で外資系の総合コンサルティングファームに入社しテクノロジーコンサルタントとして経験を積んだ後、米系のソフトウェア企業にて、ERPの導入コンサルティングに従事しました。その後、戦略系のコンサルティングに興味を持ち、外資系の戦略コンサルティングファームへ転職しています。 PwCコンサルティングに入社するまでには、創業当時の日系IT企業や、コンサルタント以外の職種も経験したのですが、事業会社でコンサルティング会社を立ち上げるという話に興味があり、コンサルティング業界に戻りました。その後はコンサルタントとしての経験を重ね、前職の外資系リサーチファームでは小売業向けのCRMツールの導入などを経験し、パートナーになりました。その当時はインダストリー組織にいたのですが、だんだん「やはりソリューションが大事だ」という考えに至り、ソリューションをきちんと作っていく会社への転職を考え始めました。そこで出合ったのがPwCコンサルティングです。
PwCにコンサルティングは、「クライアントには必ず複数パートナーで話を聞きに行く。そのほうが拾えるボールが多い」と話していて、コラボレーションを大事にしていることが印象的でした。 また、数字至上主義ではない社風や自分の市場価値を上げられる環境に惹かれ、5年前にPwCコンサルティングへの入社を決めました。
髙木氏
新卒で教育系の事業会社に入社し、ダイレクトマーケティングやWebマーケティング、情報誌の立上や編集業務などを担当しました。マーケティングの経験をより深めたいと考え、業界横断でセールスやマーケティングのコンサルティングをしていた外資系の総合コンサルティングファームに転職。金融や情報通信業界で、データドリブンのマーケティングやフロント領域のBPRなどのコンサルティングを経験しました。 その後、「戦略系の仕事がしたい」と考え、外資系の戦略系コンサルティングファームに転職。 金融や小売り、製造業界のクライアント向けの経営戦略やターンアラウンドも経験しました。 在籍中にはバンクーバーで3カ月間の語学研修を行い英語力を身に付け、MBA留学もしました。 その後、以前一緒に働いていた人たちからの誘いもあり、再び外資系の総合コンサルティングファームに戻ります。 金融業界における戦略策定や全社チェンジマネジメントなどを経験しましたが、「ジェネラルな仕事よりも、何かに特化した仕事がしたい」と思うようになり、マーケティングを業界横断でやっていくことが、自分には向いていると考えました。
そんなとき、PwCコンサルティングがデータドリブンマーケティングの領域で、リードを探していることを知り、戦略やトランスフォーメーションのレイヤーにも関われることに興味をもち、入社を決めました。
戦略マーケティング領域のみをやり続けられ、バイネームでスキルを積める
大森
今回は戦略マーケティング領域での募集と聞いています。どのような方を対象としていますか?
丸山氏
戦略系や総合コンサルティングファームで戦略領域を経験している方はもちろん、事業会社でマーケティングを担当されていた方や、マーケティングの経験はなくても、ケース面接等で高いポテンシャルを期待できる方も歓迎しています。
大森
「BIG4に行きたい」という方は多いですが、「違いがわからない」という声をよく聞きます。PwCコンサルティングの戦略マーケティング領域はどんな特徴がありますか?
髙木氏
1つめは実質的に戦略領域にフォーカスしていること。そして、丸山や私のようにリアルな戦略領域の仕事をしてきた戦略ファーム出身者が多く、戦略系のスキルを磨けることです。 2つめは社内のコラボレーションはもちろん、アカデミアやベンチャー企業など社外とのコラボを活発に行っていること。例えば、企業が顧客の「幸福」にとことんまでコミットすることを考え、幸福学研究の第一人者である専門家や不満に関するインサイトをデータベース化しているベンチャー企業と連携することもあります。 また、社内のTechonology Laboratoryには職員に脳科学者がいて頻繁にコミュニケーションをしています。こうした連携によって、より差別化した価値を提供しています。 3つめは、個人としてセルフブランディングするプラットフォームであること。当社の多くの案件で、職階に関わらず、自分の名前で発表する機会が豊富にあります。
大森
非常に差別化されていますね。戦略系の仕事を経験した方にとっては、いかがでしょうか?
髙木氏
先ほどと重なる部分もありますが、経験者の方に知ってほしい特徴もあります。 1つめは戦略系の出身者は、役割を広げてハイレイヤーの仕事をできるチャンスがあること。戦略系領域でご経験を積まれている方は、比較的そのチャンスが多いと思います。 2つめは戦略レイヤーの中でもマーケティングに特化した仕事を追求し続けられること。PwCコンサルティングの規模感があるからこそ、このようなことが可能なのだと思います。 3つめは、PwCアドバイザリーやPwCあらた有限責任監査法人からの仕事で、コラボレーションの機会が多いことです。 戦略系で経験を積んでいると、将来的に事業会社や投資ファンドなどの選択肢を考えている人もいると思いますが、P/Lサイドを超えて、B/Sサイドやリーガルの領域にもアクセスする可能性があることで、その中間のステップを踏む仕事が経験できます。
大森
御社では、マーケティングにフォーカスでき、社外とのコラボレーションも可能で、バイネームで発信していける。その背景には、社員にしかるべき成長を求めるカルチャーがあるように感じます。
髙木氏
そうですね。PwCコンサルティングには、「自分だけよければいい」ではなく、助け合うことを大事にしている方が多く、そのためコラボレーションが円滑に進むのだと思います。 当社の行動規範にもWork togetherやCareというものがありますが、まさにその精神に共感し、それを行動に移している職員が多いのだと感じますね。 また、どの職階でも、この仕事を「どうやるか」というHowの自由度が高い傾向があり、アソシエイトも自分の名前を出して発信しますし、手を挙げればやれる環境です。 就業規則の範囲内でNPOの活動やモデルなど兼業しているメンバーもおり、自分のやりたいことを実現している社員が多いです。
丸山氏
Howが自由なのは、どう収益を上げるかという点でも共通です。当社はグローバルネットワークはありますが、それぞれが独立した法人のため、「海外の本社の指示通りに動かなくてはいけない」というようなガバナンスがなく、自分たちで方針を決められます。 私は、マーケティングにおける論点は、「誰」に「何」を「どうやって」売るかの3点しかないと考えています。最近ではマーケティングオートメーションなどのソリューションが増えているものの、「どうやって」の部分しか解決できないものが多いように思います。 私たちは「どうやって」の部分ではなく、「誰」に「何」をという戦略の部分に重きを置いています。データを検証すると、この上流にずれがあり、もったいない状態であることが多いです。新たな顧客が増えることで数十億のインパクトが出ることもあります。顧客戦略が明確化できれば、お客様にも大きなインパクトを与えられます。 「誰に何を」の戦略が固まり、実行を考えるフェーズになったら、外部の会社とコラボレーションします。戦略から実行フェーズまでを請け負うのが私たちの基本スタイルです。
大森
ほかの戦略系や総合系のマーケティングコンサルタントと差別化されているんですね。
髙木氏
尖った切り口で攻めていることも私たちの特徴です。ウェルビーングやサステナビリティなどPwCコンサルティングが得意な領域や、PwCアドバイザリー合同会社が専門とするディールズ案件から生まれるプロジェクトなど、他のファームではできない差別化を意図的に作っています。 成長スピードは累積経験の量に比例しており、こうした案件が多いことで、コンサルタントはマーケティングの上流に特化した成長を実現できます。 問題解決力やロジカルシンキングはもちろん、「誰」に売るかという面では、定性面・定量面において顧客理解のスキルが必要です。そのため、顧客理解に関する深掘りしたスキルや経験を累積できます。
大森
メンバーの成長を促すための取り組みはありますか?
丸山氏
「マーケティング」という言葉はキラキラしたイメージがあると思います。ただ、お客さまからすると、マーケティングだけに詳しい人より、たとえばセールスもわかるマーケターの方がより価値がありますよね。 そのため、若手のコンサルタントにはマーケティング以外の仕事も経験してもらうようにしています。さまざまな分野を経験することは若手のうちしかできないことです。セールスやコンタクトセンターなど一見マーケティングに必要がないように思えるものも経験することで知識の幅が広がります。 コンサルタント一人一人の市場価値の合計が、会社としての市場価値だと考えているので、若手の意見は積極的に聞きますし、キャリアもしっかりと考えていきます。 特徴的なのは、週に一度行っているアサインメント会議です。アサインを決めるときは、2~3の選択肢を提示した上で「こんな機会があるけど、どうしますか?」と聞き、本人に決めてもらうやり方です。
髙木氏
アサインメント会議の運営の仕方には驚きました。「このプロジェクトを担当してほしい」と決めて、なかば一方的に本人に話をするファームの方が多いと思うんですよね。。弊社においてはそれが真逆なんです。
大森
こうした風土の背景には何があるのでしょうか?
丸山氏
私が5年前に入社した頃は今より若手の離職率が高いことが問題でした。当時はPMOのプロジェクトが多く、コンサルタントとして課題解決をしたいと考えている若手にとっては望む業務内容ではなかったこと、また客先で働いているコンサルタントが多く、なかなか、ダイレクトにメンバーの業務を見てケアすることができなかったのが理由として挙げられます。 そこで、私が決めたアクションは、なるべくPMOはやらずに、自分たちで案件を獲得してまわせる組織にすることでした。そして、若手の意見を真摯に聞くスタンスで、不満や要望にも耳を傾けてきたつもりです。
マーケティングの実行フェーズのみのプロジェクトをしない理由として、コンサルタントの働き方の側面もあります。実行フェーズのみでは収益があがらず、若手のコンサルタントは3つくらいプロジェクトを掛け持ちしないと評価が上がらないような状況になってしまい、それでは疲弊してしまいます。
髙木氏
私が感じるのは、自然発生的な各人の思いを尊重し許容するカルチャーがあることです。シニアマネージャー以上が7名いますが、それぞれが自分のやりたい領域を担当し、やりたいことありきで組織が成り立っています。
大森
若手が働きやすく、やりたいことを実現しやすい環境が整っているんですね。 そんな組織で求める人物像を教えてください。
丸山氏
マーケティングの業界はカオスな状況です。大手広告代理店が業界を引っ張る構造はデジタル化が進んだことによって変わりました。マーケティングコンサルティングやマーケティングオートメーション専門の会社ができ、マーケターとして個人で仕事をする人もいるなど、業界構造が複雑化し、プレイヤーも増えています。 旧来型のマーケティングに危機感がある人、マーケティングが様変わりしてさまざまな手法が出てくる中で「誰に何を」するかにこだわれる人、企業のトップラインをどう上げていくかに関心のある人にはとてもいい環境です。 また、コンサルティングの経験がなく、中途で入社する場合は、同世代と経験のギャップを埋める頑張りは必要です。そのため、何歳になってもスポンジのように吸収していける人は活躍できると思います。
大森
成長したいと考える若手の方に必要なことはなんでしょうか?
丸山氏
私の好きな言葉は、「やっぱり、なるほど、ずっと」です。 「やっぱりPwCコンサルティングは頼りになるね」と思っていただき、「なるほどさすがPwCコンサルティングだね」と言われる仕事をして、「ずっとPwCコンサルティングと仕事をしていきたい」と思われる。そんな仕事をしたいと自分自身も思っています。 若手の方は、「自分はそう言ってもらえるような仕事ができているだろうか」という課題意識をもちながら仕事をしていけば、そう思われるコンサルタントに近づいていけると思います。
髙木氏
自分事化し続けることだと思います。自分自身に何かやりたいことがあれば、その実現に向けて、「今、目の前にある仕事はどうつながっているか?」と捉え方が変わります。 「この仕事をやり遂げれば、自分のステージがどう変わるか」というストーリーを常に考えることが重要です。
大森
最後に、PwCコンサルティングに転職を考えている人にメッセージをお願いします。
丸山氏
コンサルティング業界はやれる仕事の幅は広いので、やりたいことが明確な人は、自分にとって幸福な環境をつくっていけます。やりたい仕事をしているときは、幸福度の高い状態といえるのではないでしょうか。 この幸福度に関していえば、髙木が「ソリューションにしたいので予算をください」と掛け合ってきたのが始まりですが、ぼんやりしたものから今は周囲にしっかり浸透するソリューションになっています。 こんな風に、やりたいことを自由にできるようにすることが、私たちのミッションだと考えています。
髙木氏
次世代型のコンサルタントになりたい人に選んでほしい環境です。 左脳型でロジカル、タフで長時間働けるというコンサルタント像が旧来だとしたら、これからは自分なりの芸風をもち、エッジをもったコンサルタントが活躍する時代。PwCコンサルティングは、こうした次世代型のコンサルタントとして成長できる環境です。
大森
PwCコンサルティングの戦略マーケティングで働く醍醐味がよく理解できました。
構成・編集:久保佳那 撮影:赤松洋太