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2025年9月29日(月)ブログ

コンサル転職で年収を上げるには?昇格を実現する方法と交渉のコツ

転職で年収を上げたい、特にコンサルティング業界での年収アップを目指している方が抱えている悩みは「同じタイトルでの転職では大幅な年収アップは難しい」「どうすればタイトル昇格を伴う転職が実現できるのか」というものです。

現在のコンサルティング業界は超売り手市場です。企業の採用ニーズに対して優秀な候補者が圧倒的に不足しており、各ファームは質の高い人材確保に必死になっています。この市場環境により、転職で年収を上げるチャンスは従来よりも格段に高まっています

本記事では、コンサル転職における年収アップの現実的な方法と、タイトル昇格を実現するための具体的なやり方を詳しく解説します。年収交渉を成功させるテクニックから転職エージェント活用法まで紹介しているので、コンサル転職での年収アップを目指す方はぜひ参考にしてください。

コンサル転職市場の現状

なぜ今がコンサル転職のチャンスなのか

現在のコンサルティング業界は超売り手市場です。企業の採用ニーズに対して優秀な候補者が圧倒的に不足しており、各ファームは質の高い人材確保に必死になっています。

この市場環境により、転職で年収を上げるチャンスは従来よりも格段に高まっています。特にコンサル経験者の場合、適切な準備をすることで大幅な年収アップが期待できます

デジタルトランスフォーメーション(DX)や働き方改革、ESG対応など、企業が抱える課題が複雑化・高度化する中で、コンサルタントへの需要は年々増加しています。一方で、質の高いコンサルタントの供給は限られており、この需給ギャップが転職者にとって有利な環境を作り出しています。

転職による年収アップの現実

同タイトル転職での年収上昇幅

重要なポイント:同じタイトル(役職)での転職の場合、年収アップには一定の限界があります。

上昇幅の目安は50万円〜300万円程度です。理由は、各タイトルには給与レンジが設定されているため。例えば、年収1,000万円のマネージャーが同タイトルで転職しても、1,800万〜1,900万円にはなりません。

これは、コンサルティング業界において各タイトルごとに明確な年収レンジが設定されており、同タイトル内での大幅な年収アップは構造的に困難であることを意味します。しかし、これは決してネガティブなことではなく、業界全体の標準化とフェアネスを保つための仕組みでもあります。

より大幅な年収アップを実現する方法

タイトル昇格との組み合わせがカギとなります。シニアコンサルタントからマネージャー、マネージャーからシニアマネージャーへのタイトルアップを転職と同時に実現することで、より大幅な年収アップが可能です。

例えば、年収800万円のシニアコンサルタントがマネージャーとして転職することで、年収1,200万円〜1,400万円のレンジでの採用が期待できます。これは同タイトル転職では実現できない大幅な年収アップとなります。

コンサル転職でタイトルを上げる方法

タイトル昇格に積極的な企業を選ぶ

コンサルティング業界内でも、タイトルを上げてでも優秀な人材を採用したいと考える企業が存在します。このような企業を見極めて応募することが、最も確実な方法です。

具体的には、急成長中のファーム、新規事業立ち上げ期の部門、特定領域での人材不足が深刻な企業などが該当します。これらの企業は、即戦力として活躍できる人材を迎え入れるために、タイトルアップでの採用に前向きな傾向があります。

タイトルアップが困難な理由を理解する

多くのコンサルティングファームがタイトル昇格での採用に慎重な3つの理由があります。

組織全体の質低下への懸念として、実力不足の上位職者が入ることによる全体レベルの低下。社内組織バランスの崩壊として、既存の優秀なメンバーより実力の劣る上司が生まれることによる組織バランス悪化。本人の立ち上がり困難として、背伸びしての入社により、本人が苦労して潰れてしまうリスクです。

これらの懸念は、企業側の採用リスクを示しており、タイトルアップでの採用がなぜ慎重に行われるかを理解することで、より効果的な転職の進め方を考えることができます。

タイトルアップを実現する3つの方法

方法1:専門性を最大限活かせる領域で勝負

ポイント:未経験分野への挑戦ではなく、現在の専門性を最も評価してもらえる分野を選択することです。

SAP専門なら、SAPプロジェクトに強い企業・部門を狙う。金融業界経験があるなら、金融特化型ファームを選ぶ。特定の業務プロセス改革に強みがあるなら、その領域で評価される企業を選ぶ。

この方法のポイントは、自分の専門性が最も価値を発揮できる環境を選ぶことです。専門性が高く評価される領域では、企業側も上位タイトルでの採用を検討しやすくなります。

方法2:上位タイトルのKPI達成を論理的に証明

具体的な準備として、目指すタイトルの役割とKPIを調査し、現在のポジションでも実際にその役割を果たしていることを具体例で説明します

マネージャーを目指す場合の例として、マネジメント経験(チームリード経験、後輩指導実績)、セールス力(提案書作成、クライアント折衝経験)、専門性(特定領域での深い知識と実績)などが挙げられます。

重要なのは、単に「マネージャーになりたい」と伝えるのではなく、「既にマネージャーレベルの業務を遂行している」ことを具体的な実績とともに証明することです。

方法3:複数オファーでの条件交渉

効果的な進め方は、3〜5社に同時応募し、複数のオファーを獲得することです。オファー比較状況での条件交渉により、タイトル・年収の両面で有利な条件を引き出すことができます。

複数のオファーを獲得することで、企業側に「この候補者を逃したくない」という心理を働かせ、より良い条件での採用を引き出すことができます

年収交渉を成功させる具体的な方法

転職エージェントとの連携

個人での年収交渉は困難なため、経験豊富な転職エージェントとの連携が不可欠です

優秀なエージェントの見極め方として、単純に「年収を上げてください」と依頼するだけでなく、年収アップの根拠とロジックを一緒に構築してくれる、市場価値の客観的評価を提供してくれる、具体的な交渉の進め方を提案してくれる人を選びましょう。

優秀なエージェントは、あなたの市場価値を正確に把握し、それに基づいた論理的な交渉を企業側と行ってくれます。

年収交渉で重要な要素

1. 市場価値の客観的把握

同業他社での同ポジション年収相場、自分のスキル・経験の市場での評価、業界全体の年収トレンドを理解することが重要です。

2. 交渉材料の準備

具体的な実績と成果、獲得している資格・スキル、プロジェクト成功事例、クライアントからの評価を整理しておきましょう。

3. タイミングの重要性

複数オファー獲得後の交渉、内定通知から返事までの期間活用、年度末・期初などの採用積極期の活用が効果的です。

まとめ

コンサル転職で年収アップを実現するためには、計画的な取り組みが不可欠です。現在の売り手市場を活用し、適切な準備と交渉により、理想的なキャリアアップが可能になります。

成功のカギは、市場環境の正確な理解、自分の強みを最大限活かせる企業選択、論理的な条件交渉、経験豊富なエージェントとの連携、そして複数オファーでの比較検討にあります。同タイトルでの転職には年収アップの限界があることを理解し、タイトル昇格を含めた計画的な転職活動を展開することが重要です

転職は人生の大きな転換点です。しっかりとした準備により、理想的な年収アップとキャリアアップを実現しましょう。現在の超売り手市場という追い風を最大限に活用し、あなたの市場価値を正当に評価してくれる企業との出会いを見つけてください。

大森崇のプロフィール写真
リネアコンサルティング株式会社 代表取締役社長 大森 崇
1998年にリクルートグループ入社後、ベリングポイント(現PwCコンサルティング)にて、採用責任者として年間250名以上のコンサルタント採用や研修を担当。2008年にリネアコンサルティングを設立し、代表取締役社長に就任。今まで1万人以上の転職支援や、企業の採用支援RPOに関わる。企業の採用・経営支援に従事する傍ら、Gallup認定ストレングスコーチとしても活動。ビズリーチ「日本ヘッドハンター大賞」コンサル部門MVP、日経HRエージェントアワードMVPなど受賞歴多数。YouTube「コンサルキャリアch」運営。